概要
本記事では、2023年10月からのふるさと納税の改正について簡単にまとめます。
注意
本記事の内容は、個人的な調査結果に基づくものです。その正確性や、前提条件が誰にでも当てはまることを保証するものではありません。
正確な情報については公式サイト等をご確認ください。本記事の内容は、本記事を作成、更新した時点の情報をもとに記載しています。
総務省:ふるさと納税の次期指定に向けた見直し
先日、総務省からふるさと納税の改正に関する発表がありました。
ふるさと納税の指定制度※1について、制度本来の趣旨に沿った運用がより適正に行われるよう、本日付けで当該指定に係る基準について定めた告示の改正及びQ&Aの発出を行いましたので、お知らせいたします。
本改正は、次期指定対象期間※2に係る指定から適用となります。
出典:総務省|報道資料|ふるさと納税の次期指定に向けた見直し
この改正内容は、2023年10月1日から適用されます。
ざっくり主な改正内容
主な改正内容は以下の2点です。
・ 募集に要する費用について、ワンストップ特例事務や寄附金受領証の発行などの付随費用も含めて寄附金額の5割以下とする(募集適正基準の改正)
・ 加工品のうち熟成肉と精米について、原材料が当該地方団体と同一の都道府県内産であるものに限り、返礼品として認める(地場産品基準の改正)
出典:総務省|報道資料|ふるさと納税の次期指定に向けた見直し
詳しい内容は、記事の後半で見ていきます。
いずれも嬉しくはない変更
上記2点の変更は、ふるさと納税をお得に活用したい納税者にとっては、ざっくり言うと以下のような変更です。
- 前者はふるさと納税のコスパ悪化につながる変更
- 後者は返礼品として認められないものが増える変更
嬉しくはないですね。
改正前の寄付は2023年9月まで&余裕をもって
この改正は2023年10月1日から適用されるので、2023年9月までの寄付については改正前のルールでふるさと納税を利用できます。
ただし、各自治体やふるさと納税サイト側で、2023年9月末ギリギリまで改正前ルールをフル活用して寄付を募集しているとは限りません。
また物価高騰の影響も考えられます。
ということで、2023年は基本的に、早めの寄付をオススメします。
間に合わなかったら年末の駆け込みあたりに
もし、2023年9月までに寄付が間に合わなかったとしても、ふるさと納税自体がお得でなくなるほどの変更ではありません。利用しましょう。
例年通り、何かしら年末の駆け込みキャンペーン等は開催されるでしょうから、そこが狙い目です。
オススメの返礼品
いくつかオススメの返礼品を以下の記事で紹介しています。
ふるさと納税サイト
ふるさと納税サイトで、自治体 (返礼品) を選んで通常のお買い物と同じ感覚で寄付をすることにより、ふるさと納税を活用できます。
寄付後の控除手続きは、手軽なワンストップ特例の申請がオススメです (確定申告でもOK)。
オススメのサイトをいくつか載せておきます。
楽天ふるさと納税
使いやすい楽天ポイントが使える&貯まるサイトです。
新規会員登録しなくても、楽天会員情報をそのまま使えます。
利用するサイトにこだわりがなければ、まずは楽天ふるさと納税サイトを見てみましょう。
ふるなび
CM等でおなじみです。
AmazonギフトカードやPayPay残高に交換可能なふるさとコインを獲得できます。
細大20%還元等のキャンペーンもあり、充実しています(本記事作成時点)。
私は、今年はキャンペーン目当てでふるなびを利用してみました。
さとふる
さとふるも人気のサイトで、ランキングやレビューで返礼品を探しやすいです。
ふるさと納税サイト【さとふる】ランキングとレビューで探せる認知度No.1
ANAのふるさと納税
マイルが貯まるので、寄附先の⾃治体へ実際に⾜を運ぶ機会づくりにもなります。
ANAのCAが選ぶ返礼品特集もあります。
ANAのふるさと納税 | ANAのマイルが貯まるふるさと納税!
au PAY ふるさと納税
ポイ活に便利なPonta ポイントが使える&貯まるサイトです。
auかんたん決済 (寄付をauの通信料金に合算して支払い) もできます。
出典:au PAY ふるさと納税 うれしい5つのポイント | au PAY ふるさと納税
マイナビふるさと納税
シンプルなAmazonギフトカード10%還元が特徴です。複雑な達成条件もありません。
ふるさと本舗
全国の美味しい特産品に特化したサイトです。
使いやすいAmazonギフト券の還元があります。
さのちょく寄附促進プログラム
寄附金額3年連続No.1を誇る泉佐野市直営のふるさと納税サイトです。
ANAのふるさと納税 | ANAのマイルが貯まるふるさと納税!
改正内容をもう少し詳しく
前述のとおり、今回の改正は、ふるさと納税をお得に活用したい納税者にとっては、あまり嬉しくない変更です。
一応、背景や内容を、もう少し詳しく見ていきます。
改正の目的
今回の改正の目的は、"制度本来の趣旨に沿った運用がより適正に行われるよう" とあります。
長期的に、ふるさと納税という制度が健全に継続されることは重要かと思います。
仮に一部の自治体による募集が、経費や返礼品に関する基準の "グレーゾーン" に該当するようなだったなら、このような改正により見直されることが望ましいでしょう。
そもそもふるさと納税は独特の制度で、その趣旨と実態に関しても賛否両論あるところなので、公平性、透明性を高められる制度見直しであれば長期的にはプラスになるはずです。
新旧対照表は難しい
改正内容を確認できる新旧対照表が載っていますが、ちょっと難しいですね。
新旧対照表
出典:総務省|報道資料|ふるさと納税の次期指定に向けた見直し
ポイント
要点を絞ってまとめていきます。
ポイント1:付随費用も含めて寄附金額の5割以下
1点目です。
・ 募集に要する費用について、ワンストップ特例事務や寄附金受領証の発行などの付随費用も含めて寄附金額の5割以下とする(募集適正基準の改正)
出典:総務省|報道資料|ふるさと納税の次期指定に向けた見直し
これは、今まで計上されていないケースもあった "隠れ経費" を明確化するものです。
ふるさと納税では、自治体側の返礼品の調達にかかる費用が寄付額の3割以下、かつ、その返礼品や事務費等も含めた経費が寄付額の5割以下となるよう定められています。
その経費部分に関して、寄付の募集に付随して生じる事務費の範囲がより明確になりました。
その範囲に関する説明は、Q&A集で以下のように記載されています。
- 寄附金に係る受領証の発行事務に要する費用、ワンストップ特例に係る申請書の受付事務に要する費用(当該事務を電子化するために要する費用を含む。)、ふるさと納税以外の業務も兼任している職員に係る人件費のうち、ふるさと納税に関する業務に係るもの (問8の回答より)
ポイント還元の経費負担があれば "返礼品等" に含む
ちなみに、ふるさと納税サイト等のポータルサイトで獲得できるポイントに関し、自治体側の経費負担があれば、それは返礼品等(事務費でなく)に含まれるという解釈になるようです。
- ポータルサイト運営事業者が寄附者に対して提供するポイント等であったとしても、当該ポイント等について、地方団体が追加的に経費負担をしているのであれば、当該団体の提供する「返礼品等」に含まれる (問12の回答より)
還元されるポイント等に対して自治体側の経費負担があれば、その経費も "返礼品等に含まれる" 形になるので、今までのキャンペーン等がその原資として自治体の経費負担に頼っていた場合には、ポイントの還元率が小さくなる可能性もあります。
ポイント2:加工品のうち熟成肉と精米の原材料が当該地方団体と同一の都道府県内産
2点目です。
・ 加工品のうち熟成肉と精米について、原材料が当該地方団体と同一の都道府県内産であるものに限り、返礼品として認める(地場産品基準の改正)
出典:総務省|報道資料|ふるさと納税の次期指定に向けた見直し
これは、例えば他県のブランド肉を仕入れて加工し、返礼品にしていたケースなどはNGになるということですね。
自治体と関係の無い豪華オマケもNG
また今回、"当該返礼品等の価値が当該提供するものの価値全体の七割以上である" というルールも明記されるので(以前は"主要な部分を占める")、オマケが豪華すぎてどちらがオマケか分からないような返礼品はNGになるということです。
上記に該当するような返礼品は、今後認められないことになります。
まとめ
2023年10月からのふるさと納税の改正について簡単にまとめてみました。
私はとりあえず早めに寄付を済ませてみました。