Intel 2023年後半以降のPC向けCPU ブランドアップデート (Meteor Lake等)
概要
Intelのクライアント向けCPUに関し、Meteor Lakeを含む今後のリリースについて発表があったのでまとめておきます。
Intel PC向けCPUのロードマップ全般については、以下の記事にまとめてあります。
公式発表ソース
一連の公式発表ソースは以下です。
Intel newsroom (2023年6月15日付)
インテル Meteor Lake の発売に先立ってブランドの大幅なアップデートを発表Intel China (2023年6月16日)
bilibiliでの投稿
※英特尔游戏 (Intel Gaming)のbilibili (中国の動画サイト) 上のアカウントによる発表Intel China (2023年6月16日)
Weiboでの投稿
※英特尔中国 (Intel China) のWeibo (中国のTwitter的なSNS) 上のアカウントによる発表
※2023年5月29日のタイミングでも、COMPUTEX TAIPEI 2023に合わせて何らか発表があったようなのですが、メディア向けのものだったのか、ソースが見当たりませんでした。
Intel Chinaの発表の方が詳しい
内容については後述しますが、公式Webサイト (www.intel.co.jp等) の Intel newsroom 内の発表内容は簡単なもので、Intel Chinaが発表した内容の方が詳しいという状況です。
Intelは、米国が2022年に先端半導体関連技術の中国への輸出規制を強化が発表したものの、事業戦略として中国での事業展開に力を入れる方針のようで、その影響でしょうか (参考:対中半導体輸出規制強化の元でIntelが強かに中国事業を強化するのはなぜ? )。
今回の発表内容 (2H 2023以降の予定)
以下の点が発表されています。従来の発表やリーク情報と大きく相違は無いかと思います。
2023年後半以降の予定に関するものです。
Meteor Lake関連
Meteor Lake関連では、以下の点に触れられています。
Intel 4 process node
新しいプロセスノード“chiplet” system-on-chip (SoC) design
3Dパッケージング技術Foverosによるチップレット設計、消費電力効率とグラフィックス性能の向上Intel AI Boost
専用のAIエンジン、おそらくVPU搭載のあたりMeteor Lake and Windows 11 will scale across the ecosystem
Microsoftとの連携- ONNX Runtime support enabled through OpenVino-EP and DirectML-EP
- WinML/DirectML
- Microsoft Studio Effects
ざっくり言うと、Meteor Lakeには最新技術が採用されているということです。
アーキテクチャが刷新されているので、第13世代 (Raptor Lake) のリリースよりもユーザの期待度は高いと思います。
CPUのブランドアップデート
Meteor Lake以降、ブランド名称や世代数のカウントが変わります。
ちなみに、"英特尔酷睿" は、"Intel Core" のことらしいです。こんな風に(当て字みたいに)するんですね。なんとなく日本語にはカタカナがあって良かったと思いました。
CPUの世代や名称の呼び方
しばらく従来のものと混在する間は、かなりややこしくなりそうです。
世代数のカウントも1にリセットされるので、従来から通算した数字では "第○世代" と呼べなくなります。
Intelの発表には名称の説明はありますが、正直なところ、なかなかパッと区別しづらい印象です。
"Intel 4" 等のプロセスノードで呼ぶ方が整理しやすいかもしれません。
あるいは、"新Core"と"Core Ultra" のような通称の方が楽な気もします。
続いて、上図の、上から順に説明していきます。
[従来ブランド] 第12世代 Intel Core、第13世代 Intel Core
従来のAlder LakeやRaptor Lakeです。
i7-12700H のように、"i"がついた製品名です。
[従来ブランド (アップグレート)] Intel Core 第14世代
従来のRaptor Lakeのアップグレード(Refresh)です。
これも、"i"がついた製品名です。
デスクトップ向け (S) やハイエンドノートPC向け (HX) のモデルです。
[新ブランド] Intel Core Ultra 第1世代
Meteor Lakeです。
"Premium Processor Brand" ということで、ノートPC向けに、高付加価値なブランドとして展開されるでしょう。
製品名には "Ultra" が付与され、世代数のカウントは第1世代から始まります。
[従来ブランド (アップグレート)] Intel Core 第1世代
Meteor Lakeでなく、従来のRaptor Lakeのアップグレード (Refresh)です。
"Mainstream Processor Brand Name" ということで、ノートPC向けに、Ultraと並行して販売される形でしょう。
なお、ブランド自体は従来の "Intel Core"なのですが、製品名から "i" が消えて、世代数のカウントが第1世代から始まります。
Evo、vPROのアップデート
従来からEvo、vPROはありましたが、名称やロゴが少し変更になるようです。
- インテル Evo として認証されたシステムに対してインテル Evo Edition プラットフォーム・ブランドを適用
- 所定の企業向けシステムに対してインテル vPro Enterpriseプラットフォーム、インテル vPro Essentialsプラットフォームのラベルを導入
余談
画像が縦長すぎる
今回、bilibiliでの投稿の画像を確認したのですが、とても縦に長い画像でした (10000ピクセル超)。
多数のユーザがモバイルデバイスで画像を見る想定で、このようになっているのかと思います。
出典:bilibiliでの投稿
画像内の中国語の翻訳
中国語を読めないので翻訳しようと思ったのですが、画像内のテキストを直接コピペできないので、Google ドキュメントで画像を開いてテキストデータ化して、翻訳しました。他にもやり方はありそうですが、とりあえず助かりました。
まとめ
Intelのクライアント向けCPUに関し、Meteor Lakeを含む今後のリリースについて発表があったのでまとめてみました。
Microsoftとのパートナーシップも強調されています。ChatGPTの件もあり、MicrosoftのAI 戦略の地盤が固まっていく感があります。